KSネット俳句会

130回   
                                                                                平成29年1月11日    メール句会

                                           
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          うーろん
お正月はどこも禁煙席ばかり
沿道の声援淑気満ちゐたる
ゴールドの財布贖ふ年初め
出張所けふは賑はふ出初式
小豆粥凡の平穏祈る母


     三葉子
妻と居る一月の陽の暖かさ
大いなる幸の一字を筆始
成人の日笑上戸だったのか
ハイタッチ三人一緒の成人式
初春の陽射しに向ふ子の背丈      藤遊子
押し入れに押込むだけの年用意
右左地球儀廻す去年今年
除夜の鐘待ちて萬寿の封を切り
初富士の裾をのぞみの風立ちぬ
声も無き隣家気になる三が日


       柳子
参道の木遣り朗々淑気満つ
人日や今年の塵をすでに溜め
地に這うて何見てをるや仏の座
老い二人何はなくとも屠蘇祝ふ
子の帰省叶はぬままに松明けぬ       アトリエ
神棚へ娘から貰ひしお年玉
お多福の浮き出る器初茶の湯
朝寝坊隣家の梅の咲きはじむ
描き初め赤青黄色虹の色
実千両鳥に僅差の負け戦      えぼし
フクシマや荒れ地を抱いて雪の降る
父祖の地に眠る山川初明り
電球を買走りゆく大晦日
遠くよりながるゝ聖歌冬銀河
雪国の話などして日向ぼこ
        しかの
点描のごとく鴉のゐる冬木
地蔵堂のなかはがらんと日脚伸ぶ
あたらしき位牌初日のさしゐたり
寒の星またゝき和漢朗詠集
待春の桶屋の前のひのきの香      自由雲
何もかも手抜きにしたりお元日
海賊と呼ばれた男暮れに観る
氷頭なます男の仕事年の暮れ
年男声張り上げて謡初め
新年の鐘が鳴るなり来迎寺