KSネット俳句会

159回   
                                                                                令和元年6月5日
                                                                     大船NPOセンター                                          
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     えぼし
水無月や健やかにして古希を過ぐ
梅雨寒や不意に浮かびし過去の科
のつけから記録破りの猛暑かな
田は空を映すことなし芒種かな
情念の過ぎて悲しき虎が雨      うーろん
裏方に徹してをりぬ梅雨はじめ
中指のペンのへこみや薬降る
ふりかへる母の一生薬降る
何処へでも顔出したがる羽抜鶏
明易し小さな旅も楽しかり      藤遊子
廃線の駅舎葎(むぐら)にのまれけり
一円玉一つ供へられ道祖神
退院を待つうち花は葉桜へ
穴子舟残照やがて闇になり
薫風は楓を抜けてわれに来る      かつら
青水無月湖底に揺らぐ鳥居影
更衣昭和は更に遠くなり
交番の日や覗きゆく夏燕
闘鶏の横綱なれど羽抜鶏
石畳会釈を交はす白日傘
            しかの
猫の鳴くけだるき卯の花月夜なり
救命具どれもまつ赤や梅雨上る
すかんぽや声をださねば声の老ゆ
陶工に山の道聞く蝮草
接岸の船に夕暮走り梅雨