KSネット俳句会

139回   
                                                                                平成29年10月4日   

                                           
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     うーろん
空ら鍋に鱗張り付く秋暑かな
秋澄むや老いの愚痴など云ふまいに
青蜜柑手には移り香そのままに
大振りのをんなの傘や秋出水
接待の赤い椅子ある萩の花      柳子
衣被うまさを包む湯気熱し
この町の記憶背負ひて燕去る
長き夜や酒の肴は友の愚痴
妻の留守手酌進まぬ夜長かな
風高し栴檀の実のたわわなる      柳子
長き夜や一人酌む酒酔ひ易し
萩分けて登る石磴空青し
残菊や無頼夢見し頃もあり
括られしまま残菊の佇ち尽くす
鉦叩誰のことばを告げ来しか      藤遊子
秋風の色を付けたる里の山
日展に思はぬ友の名を見付け
訃報記事我より若し秋刀魚喰ふ
台風や沖に三度の汽笛鳴り
画家の目をもちて柘榴の赤をみゆ
      しかの
丹波路は畑より暮るる新大豆
島に行く船に僧乗る鰯雲
西空の茜へ消ゆる雁の棹
落栗やバスを待つ人一列に
亡き人の話をすこし秋日傘      三葉子
淋しいと詠まぬと決めて九月の句
秋の風夕べに色を染めはじめ
谷川の音にはじまる秋の闇
絞り出す一句一行秋灯
秋暑し兜太句論の暑さ持つ      かつら
旅人となりて訪ふ里稲の花
谷戸に風釣舟草の出帆す
土間奥に恵比寿大国ちちろ鳴く
産土の川にほっちゃれ鮭累るい
盆の僧スマホ繰りつつ帰りけり