KSネット俳句会

140回   
                                                                                平成29年11月1日   

                                           
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     しかの
平らかにつづく日月石蕗の花
八頭煮てそこはかとなく老いぬ
螢草水に沈める願札
追いついて直ぐ話し出す草の絮
そつけなく男ひよどり花と言ふ      かつら
久女の忌母も田舎の教師妻
筑波嶺を越へてととのふ雁の棹
登拝門閉ざし男体山眠る
戦死とは言はず散華と帰り花
落葉掃く背ナに新たな落葉かな      えぼし
真鰯もならべ海辺の野菜市
朝寒や登校の子ら黙々と
秋冷や夜半に尋ねし人の家
花殻を日がな摘みをり秋の庭
コンビニの夕餉を開く夜学生      藤遊子
声たてることなく終へる秋の蝶
朝日子と鳶が迎へる浦の秋
小網代の浦蒼くしていなの飛ぶ
初めてのイヌワビ甘し母の里
訪れる主も無き墓花薄