KSネット俳句会

135回   
                                                                                平成29年6月7日   

                                           
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     自由雲
左党には季節到来海鼠切る
典座にて青雲水の西瓜切る
英国は悲しみのとき旱星
装いも心も新た夏一献
春雷や明け方に鳴り覚醒す      えぼし
青空は楝の花を溶かし蒼
天心のまだ暮れざるに祭笛
夏空や被爆マリアの目の虚ろ
梅雨冷の天を指したる平和像
鱧料理伊予路の友を久に訪ひ      三葉子
古城夏城城主討たれし物語
夏に読む終ひの一巻「五丈原」
葉桜にけむりとどまる夕かな
海無限山有限や夏さかん
闇もまた重なり合ふも五月かな      柳子
ふる里へ吾を誘ふ雲の峰
緑陰や日曜画家の指定席
果てしなき世間話や蟻の道
逝きし人次々浮かぶ遠花火
夏雲や背を丸めし露座仏
       しかの
火蛾舞ふや恋恐ろしと思ふとき
城址まで百四十段や遠郭公
澄雄句碑すみれの白の取り囲む
飯桐の片陰風と親しめり
遠郭公苗箱洗ひゐる夫婦      藤遊子
軽鳧の子の一羽止まれば皆止まり
燕の子親を呑み込むやうな口
待ちわびて光一つの蛍狩り
山開き縞はつきりと富士の山
掴みたる獲物かざして夏の磯