KSネット俳句会

136回   
                                                                                平成29年7月5日   

                                           
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     アトリエ
梅干してひとつ終へたるけふの家事
青空へハーブの香り梅雨明ける
かいま見ゆ青き空へとほととぎす
チャービルの伸びるをまちて黒揚羽
梅干すを待ちこがれゐる空模様      藤遊子
風の道猫をどかして藤寝椅子
紫陽花と彩り競ふランドセル
鮎釣りの仕草見飽きぬ河岸かな
在りし日の父の角度や藤寝椅子
路地裏を行きつ戻りつ夏燕      うーろん
茅花流し大き雨粒連れて来ぬ
青葉潮船へと人の流れあり
梅雨晴間縁台将棋そばにチョコ
夏の海さざ波の音のみ聞こゆ
夕暮るる蛍袋に雫落つ      柳子
人込みに独り疲れて桜桃忌
十薬の苞白ければ陰に生ふ
雲の峰病む人の息ひとつひとつ
海風や男の晝寝葦簀張り
散り敷きて根方を守りぬ夏落葉
     しかの
海の色をりをり変はる散り松葉
夾竹桃言の葉にある表裏
じんじんと西日裏切ることもなし
杜濡れて青水無月と申すべし
新聞に誤植の一つ半夏生       三葉子
ヨーグルトひと匙すくふ梅雨の明け
眼裏の深き青さや梅雨の晴
夏の月裏道抜けて独り来る
草の実をつけて三毛猫寄りてくる
長梅雨や独り暮しの古き屋根      自由雲
夏薊脚の向くまま歩きをり
白木蓮老いて叶わぬ母の旅
夏草や人影も無き道祖神
あふ向きに死にゆく蝉や石畳
夏深し手抜き作業の衣裳替え      えぼし
釣り人の鱚に優しい掌
飛魚にまだ残りけり海の青
阿夫利岳残照赤し鰺を割く
四島は異国なりけり青葉潮
苦瓜や沖縄戦の古稀を過ぎ