KSネット俳句会

151回   
                                                                                平成30年10月6日
                                                                       メール句会                                           
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     うーろん
晩秋や見守隊のVチョッキ
そぞろ寒宛先不明にて戻る
枇杷の実やひと声のこし鴉去る
我も子も医師も老いたり種瓢
隠し味ほどに紅引く秋扇
     えぼし
非難所に黙して座るそぞろ寒
平成の終りに垂るる種瓢
いかほどの怒りか襲ふ秋出水
まほろばの空にも続く鰯雲
頂きに地肌の見ゆる秋の富士      かつら
花は葉を葉は花しらず曼珠沙華
農仕舞ふ煙をちこち冬隣り
筑波嶺の双耳一瞬稲つるみ
名月や浦の松影みな斜め
美しく老いたし難し破れ蓮
     アトリエ
ゆたかなる柿の実ならべ絵に集ふ
時わする語らひにをり菊かほる
この人も父祖の縁ぞ秋深し
月の旅夢見に手折る花芒
出来秋や夫と二人の小さき展
      しかの
この川に水門いくつ小鳥くる
夕暮の萩の屑うく小名木川
行く秋の我も?も沖を見る
?らの小さき諍ひ颱風
舟小屋のトタン錆古る箒草       自由雲
ドローン飛ぶ未開民族夏の朝
凌霄花今年は小さき朱色かな
心経を読せば影立つ?しぐれ
京の町白足袋履いて地蔵盆
水喧嘩死語となりたる風情かな       三葉子
読み返す母の手紙や秋灯
断りの返信メール秋の昼
目を閉じて明るき秋の底にゐる
あと一句まなこ閉づれば秋深し
あの人も句を詠みゐるか星月夜       藤遊子
颱風や自販機だけが浮かぶ闇
落葉敷く銀杏並木や小糠雨
身に入むや見舞ひ帰りの長い坂
釣り船を追いかけてくる秋の蝶
生垣の伸びるにまかせ秋の月