KSネット俳句会

147回   
                                                                                平成30年6月6日
                                                     於  鎌倉モアナ
                                           
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     うーろん
ソーダ水手にうら窓を開きけり
ソーダ水記憶の遠くまた近く
児の夢は特になしとさソーダ水
草矢打ち褪せし自慢の立ち話
老いてなほ青水無月の日を浴びぬ      アトリエ
帆をたゝむ若人の背ナ夏来る
枇杷の実の一つ転がる駐車場
白内障すすむ眼なれど青葉光
寡婦となりなほ黙々と実梅採る
ほととぎす百年経ても父恋へり      藤遊子
柏餅売り切れとある坂の店
夏の雲竜馬立たせし桂浜
足湯して夏の道後を眺めをり
田植機のしずしずと入る水面かな
翡翠の飛ぶを待ちたるレンズの眼      かつら
抱き止めし子の髪匂ふ夏帽子
咲き初めて姫紫陽花の萌葱色
故郷の植田水田の斑かな
衣更あうら眩しき女学生
咲き切つて午後の菖蒲の疲れかな
        しかの
蔵道は水音ゆたかあやめ草
朴の花若狭へ鉄路わかれゆく
緑陰と緑陰つなぐ糸電話
小気味良き庭師の鋏薄暑来る
銭葵土蔵崩れゆくままに       えぼし
青葉して大歩危峡のかずら橋
土佐の海ひろめ市場の鰹かな
子規館の冷房強し草田男忌
伊予の旅夾竹桃の赤きこと
少年の夢追いかける草矢かな       自由雲
木造りの島の教会夏つばめ
無住寺を栖としたる黒揚羽
夏めくやすれ違ひざま女の香
螢や子らの遊べる柏尾川
夏つばめ僧のたたずむ六地蔵