KSネット俳句会

149回   
                                                                                平成30年8月1日
                                                     於  大船NPOセンター
                                           
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     三葉子
七月を踏まへ一歩を八月へ
目が覚めて夢の続きか霧のなか
言霊を心に込めむ八月は
白球を追ふ少年の汗黒し
少女居て菓子と抹茶と涼風と
     かつら
風鈴の音に誘はれ和菓子店
油蝉いや高まさる暑さかな
うとうとと桟敷に落とす扇子かな
片かげり出て田んぼ道生家見ゆ
腹這ひにサーファー待ちぬ土用波      自由雲
坐禅して臍下丹田蝉しぐれ
夏の空はるか縄文美の鼓動
天牛の命を懸けて空高く
払暁に夏うぐいすや静かなる
遠花火かすかに闇を伝ひくる      藤遊子
日盛りやATMに長き列
うたた寝にやぶ蚊音なく襲ひけり
渦状の雲気にかかる暑き夜
どの道を行くも日盛り坂の町
白銀の腹光らする秋の鯖 
          しかの
柏槙に昼の闇ある土用かな
名を知らぬ草々土用照返す
結ひ直す靴紐さみだれ萩のもと
赤門前に買うて「氷室」といふ涼菓
休業日金魚は金魚として泳ぐ       うーろん
ががんぼや高脚掛ける格子窓
夜の雨咲きしばかりの月見草
土用波子を呼ぶ声のかき消さる
汗拭ひもう二歩三歩のぼる坂
講演会泣く子に駄菓子分け与ふ