KSネット俳句会

155回   
                                                                                平成30年2月6日
                                                                     メール句会                                          
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     アトリエ
白梅を借景にして窓の枠
目を病みて見ゆ夕闇の寒牡丹
甕のへり歩き水のむ寒の鳥
小雪舞ふ絵筆を使ふ音の中
寒空や一生なんと短かけれ      うーろん
余白ある墨絵の襖冬の月
待合室マスクの増ゆる朝十時
狐火や昔の者は輪の中に
時とどめ水車の廻る冬の野辺
白鮭の遡上や鱗零しつつ      えぼし
尼寺に読経流るゝ寒牡丹
露凝るや隣家の灯り消えぬまま
独居のしばれる夜の地酒かな
水仙の一茎活けて朝の膳
病廊を行き来のナース冴返る      かつら
焼芋を買うてしばしの立話
如月や日影眩しく鎌を研ぐ
鳥帰るすてつちまをか故郷よ
狐火や郷里限界集落に
母の膝枕にぬくし耳掃除
          しかの
?梅の匂ひの奥に絵馬の鳴る
熱燗酌む黒人のゐて華やげる
巻いて売る裂地いろいろ日脚伸ぶ
冬青草をさな子ときに母忘れ
胸中に何か悔ひある雪解風
      藤遊子
不毛なる国会審議日脚伸ぶ
春の宵イルミネートの艶めきて
留守電に吐息を残す春の宵
レンズの目に威儀を正せり寒牡丹
渾沌の世に毅然たる梅の白