KSネット俳句会

156回　　　
                                                              　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成30年3月6日
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　　　　　うーろん 冴え返る池に親子の長い影 軽トラの若葉マークや風光る 薹立つや一雨ごとの蕗の薹 雛納め思い出写真を加へけり 木の芽風農夫黙つて車引く 　　　　　アトリエ 草萌えや日々課せられし歩くこと 雛の間どこか雅楽の聞こえ来る 花ミモザ生けて終日満たされり 賑やかに和洋折衷梅まつり 庭に咲く花の名忘る遅日かな 　　　　　かつら 日脚伸ぶ生きとし生ける物の影 春寒やパンタグラフの青びかり 薄氷を壊す真鯉の背鰭かな テレビ見ぬ朝餉もよろし蜆汁 料峭や井戸のみ残る生家跡
     　　　　　しかの 鵯の雀追ひやる春日影 福寿草庫裡の三和土に登山靴 夕闇にたちまち紛れ梅の紅 古時計ずれてなり出す戻り寒 芹の川むかしゐたりし針磨師  　　　　　藤遊子 紙雛折り目の筋の確かなり 蕗の薹淡き苦さを肴にし 音もなく雲のとりつく春の月 猫の恋睨みあふまま離れをり バーゲンに出がらしのごと冬の服