KSネット俳句会

158回   
                                                                                令和元年5月1日
                                                                     大船NPOセンター                                          
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     藤遊子
朝桜あと幾度に逢へるかと
新しきスーツ眩しき春の街
初雲雀螺旋階段昇るごと
どの顔もこの日待つたと山を焼き
菫花高尾の山のそこかしこ      えぼし
残照に阿夫利嶺浮かぶ暮の春
一列にラインダンスやチューリップ
闘病の友の窓辺にシクラメン
蕗味噌や丸く小さき母の背
ゆつくりと浄土を目指す流し雛      かつら
観桜の人のなか行く喪服かな
新緑の木々の斑や切通し
八十路とて円く生きなむ葱坊主
小夜よりの筍流し竹の寺
薫風や耳のみ動く膝の猫      アトリエ
いつのまに甕に水輪が春の雨
新緑や森の大きくなりにけり
芽吹き時色さまざまに模様替へ
春霞色とりどりの糸紡ぎ
一つづつ予定をこなし春深む
        しかの
白き花ばかりが咲いて青葉どき
抜き糸の口にふくらむ花曇
田うなひを終へて雨くる鷺の来る
切株は芯より朽ちて花の雨
けまん草雨にすこしの不義理して