KSネット俳句会

161回   
                                                                                令和元年8月7日
                                                              大船NPOセンター                                          
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     藤遊子
海を背に江ノ電の行く晩夏光
木道に添うて棉菅続きけり
峠一つ越えたる先の夏木立
濃き緑分けて三光鳥の鳴く
徒歩二分ポストの遠き炎暑かな      うーろん
花葵見知らぬ人と相席に
秋の蝶高原列車折り返す
原爆忌広島の地に朝が来る
出目金や水藻に揺れる白いアミ
河童忌やなぐり描きたる園児の絵      自由雲
北斎の墨の濃淡朴葉鮨
河童忌と聞いて行きたや田端の地
向日葵は縁起担ぎの一年草
角打ちや蕎麦焼酎で悦に入る
  渋野日向子全英優勝
英国に弾ける笑顔夏の宵      かつら
立葵角で見送る母の影
乱れなき卒寿の人の夏見舞
街角のダリの時計や灼くる街
鎌倉をたもとほるごと芥川忌
父の絵に裸婦像多し虫払
            しかの
子ども汽車樟の茂りの下に駅
日輪草笑ひ疲れてしまひけり
洞窟の滴りを聞く不死男の忌
木漏れ日に濃淡ありぬ梅雨の蝶
駿馬逝かしむ青草の果てしなく