KSネット俳句会

162回   
                                                               
                            
令和元年9月4日   納涼句会水野宅
                                                                                       
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     うーろん
橋の名はどれもひらかな秋の風
鎌倉つ子帯をゆるりと地蔵盆
掃除終へ小さきすあま地蔵盆
お届けの特産無花果半分こ
良きことも愚のこともあり萩の月      かつら
稲光見舞ひ書く筆しばし止め
秋の蚊の一直線に来て刺しぬ
落蝉の四肢で?みし虚空かな
父の絵の傾き正す秋彼岸
深呼吸木犀香る城めぐり      三葉子
万葉の挽歌読みをり海は秋
良寛の恋の歌読む風九月
臨終の息通ふ口秋の風
娘逝く秋草ばかりの庭となり
夏草を踏み行くは良しがん治療      アトリエ
宇宙人そこにゐたるか旱星
振り返る笑顔や肩にトンボの目
もうだめだだめだと言ひつ秋深む
日の名残りハイビスカスの燃ゆる赤
冷房に喉を痛めし今朝の風
        しかの
病み癒へし人も加はり良夜なり
ひよんの実や玻璃の内なる櫛笄
自由とは己れ良しとす秋の風
語りても尽きざる思ひ秋の夜半
遺さるる悲しみ秋の蛍かな       藤遊子
法話聴く衆に交じりてサングラス
盆僧の訪ひまづは汗を拭き
炎天に蟻の歩みは迷ひなし
人待つ間涼風抜ける路地探し
投票所出でて無口になる炎暑       えぼし
ウインザー城の上ある鰯雲
無花果を裂けば広がる万華鏡
追憶の海へ誘ふ遠花火
線香花火ぽとりと闇を深くする
夜顏の白きを愛でる良夜かな