KSネット俳句会

174回   
                                                               
                            
令和2年10月7日   メール句会        
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     うーろん
朝寒の寝ぼけ顔洗ひけり
ゆつくりと誤解ほぐるる今年酒
秋刀魚焼く焦げの程よき網の上
萩咲いて老人ホーム明かるうす
実むらさき大繁盛のネット店      藤遊子
廃船の竜骨あらは鰡跳ねる
新酒酌む上戸の父の影想ひ
一枝をワインボトルに実ムラサキ
竿を振る音心地よく秋澄めり
名月やワインの栓にてこずりて      えぼし
ジャンパーを羽織つて朝のウオーキング
荒波や海峡高く鷹渡る
人力車鎌倉宮の初時雨
冬浅しかごめかごめのわらべ歌
初冬や夕餉の早き老い二人
     かつら
身に入むや生簀に泳ぐ鯛一尾
今年藁褥に子牛寝まりをり
妻鳴らす龍恋の鐘島の秋
野分晴波が波乗りしてをりぬ
身を斜に上る石段乱れ萩
     しかの
黄落にすこし間のある港町
萩叢に入りて黄蝶のうすみどり
栗鼠の鳴く声が窓辺に火恋し
水落つる音に震えて水引き草
瓢箪を叩けば海の底の音       自由雲
家?みに作る一品柿なます
トランプはコロナ軽んじ桐一葉
引き算の人生栗飯ほつほつと
影法師さびしさこらえ独居する
家?みにみちのく新酒手に入れて       三葉子
研ぎあげて秋の夕日に刃を透かす
秋来ると波が光りを声として
峯雲の上にすじ雲転換期
瓶の蓋外せぬままに虫を聴く
勝つ負ける自問に答ふ月あかり