KSネット俳句会

175回   
                                                               
                             
令和2年10月28日   nexton大船ビルにて
        
                                        
 TOPへ       KSネットへ 

     うーろん
鷹渡る故郷と遠くなるばかり
そぞろ寒友に弱音を吐くことも
欠席と記す葉書や秋深む
群れ咲くも一輪もよし秋桜
初冬の雨や鵜のかろやかに      えぼし
冬浅しかごめかごめのわらべ歌
初冬の夕餉の早き老い二人
人力車鎌倉宮の初時雨
荒波や海峡高く鷹渡る
ジャンパーを羽織つて朝のウオーキング      藤遊子
輪唱のごとく咲くつぐ曼珠沙華
鰯雲観音崎を包みけり
マスクとり初冬の大気胸に入れ
銀輪の小気味よさげに秋の風
無花果の熟れて目白の独り占め      かつら
息白しスクランブルの交差点
片時雨観音口へ出でて晴
観音の片頬刷いて時雨かな
石蕗の花やぐらの奥の五輪塔
吟行や手帳に栞る柿落葉
        しかの
夕暮れの長き海辺や石蕗の花
鶴頸の一輪挿しへ吾亦紅
風呂吹きの味噌に効かせて唐辛子
槇の実の青やみどりや鷹番所
吸ふやうに熟柿を食ぶや火恋し       自由雲
秋淋しシャッター街の中通り
この秋は名僧に学ぶ座禅かな
行事減り秋天高く園児たち
古事記伝求めて秋の松坂路
新米の何はなくとも塩むすび       アトリエ
金魚の子見る楽しみの冬の朝
秋ふかしズームの顔の膨らんで
冬の朝鏡に話かけもして
夏服の整理まだまだ冬の来る
自粛なる日々のつづきに冬籠