KSネット俳句会

168回   
                                                               
                            
令和2年3月4日   メール句会        
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     えぼし
桟橋に助産婦を待つ島の春
校歌歌う卒業生は皆マスク
下駄箱の上に飾りて内裏雛
それぞれに格差のありぬ多喜二の忌
白梅の遅きに咲きて遅く散り      うーろん
ジクソウのピース散らばる雛の間
取り落とす小銭の響き春の闇
かがり火に群れては散りぬ白魚漁
花見月カーテン開けて家篭り
いく度のカーテンコール春惜しむ      アトリエ
ウイルスの拡がる地を打て春の雷
歳一つ重ねし朝の初音かな
三月も三日と知りて雛飾る
マスクして娘はそそくさと帰りけり
春の夜友の訃報のまた届く      かつら
啓蟄や働き蟻は早や仕事
鳥帰る夫のハミング北帰行
テレビなき朝餉もよろし蜆汁
通勤の車内の黙や冴え返る
臥龍梅父の書棚の手沢本
        しかの
料峭や脚に傷ある鳩のゐて
鳩群れて港ひつそりとこの二月
棕櫚の葉照る流行り病に二月過ぐ
若布干す浜辺いふかき轍あり
目を閉ぢることなき雛立たせけり       三葉子
黒猫のふり向く路地の日永かな
残り飯土に戻すと春の雨
夢に聞く目覚めよの声春の明け
モザイクのやうな木の影春近し
多喜二忌に兜太重ねて瞑目す       藤遊子
ゴミ出しの我を睨みてうかれ猫
箱根路や流れる汗に春の風
豪華船留まりしまま春寒し
雀の子うちの雀と呼びて愛で
薄紅に雲を染めたる楓の芽