KSネット俳句会

169回　　　
                                                              　                            令和2年4月8日   メール句会　　　　　　　　
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　　　　　藤遊子 冗談も言へぬコロナ禍四月馬鹿 春怒濤寄せたる後の静寂かな 房総の山を墨絵に春霞 樹木葬終へて踏みゆくいぬふぐり 春陰に何を思ふか鷺の立つ 　　　　　えぼし 腰に手を置いて少年いかのぼり 春夕焼まだ耕しの人の影 家苞に草餅二つ買ひにけり バス停に駆けて行く人風光る 生命の賛歌奏でる百千鳥 　　　　　うーろん 苗木市立札真ん中離れをり サービスは大盛りチャーハン花曇 囀りや黄色の鳥は籠の中 芝桜黙つて行き交ふ遊歩道 手洗ひ場乾く暇なし朧かな 　　　　　かつら 老桜や久闊叙する母校跡 鳥帰る年々遠くなる故郷 流木を並べ売る店黄砂降る 春泥の思はぬ深さけんけんぱ 春田打つ眠りゐるもの起しつつ
     　　　　　三葉子 洩るる灯に花影万朶揺れやまず 裏道へまはる人あり三鬼の忌 病む吾は児の支へ受け花の道 二羽と共飛び去る小鳥日永かな 病む喉へ米粒ほどの春の水  　　　　　しかの 巻貝を耳に春風聞いてをり 花屑の片寄るところ水暗し 諸葛菜ここに江ノ電坂がかる 貝母咲く遠くのこゑを聞きをりぬ 休業の木札がけふも春の塵