KSネット俳句会

170回   
                                                               
                            
令和2年5月8日   メール句会        
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     えぼし
校庭に子らの声なく散る桜
滝のぼる姿に垂れし鯉のぼり
コロナ禍や仕舞し損ねし春炬燵
人影の見えぬ浜辺や白子干す
薬箱がさごそ探る春の風邪      三葉子
田を抜けて五月風くるああ故郷
風受けて万の葉光る葉桜よ
葉桜や曇ガラスのなほ昏し
国覆ふコロナ禍払へ青嵐
蜂蜜を湯に溶かし飲むみどりの夜      かつら
金魚玉主治医のメタボ気になりぬ
鎌倉の谷戸の明るき卯月かな
箱庭に一石置いて納まりぬ
明月院姫紫陽花の藍浄土
田水まだ濁れる植田立ち去りぬ      アトリエ
天空に都市があればとミモザ舞ふ
国上げて戦ふ日々に春の逝く
街しづかビデオ流行りて春嵐
目に見えぬ敵と戦ふ春嵐
豊かなる日々よ戻れよ春の鳥
        しかの
「ご自由に」と和尚手掘りの筍が
軒燕今も肉屋が駅の前
夫がふと生国を恋ふ初鰹
近づけば青き実梅の乳首ほど
夕照りの?のさざなみ子持鮒       藤遊子
鬱々の空気押し退け百合の咲く
体当たりするかの如く青嵐
春愁の顔を鏡の中に閉づ
無観客競馬に響くファンファーレ
駅ピアノ流れて初夏の川となり       うーろん
卯月空主人(あるじ)昼でも鬱の顔
厨より水の音する端午の日
またひと日暮れてゆくなり植田かな
こどもの日青い海には人群れて
外出するほどの用なし春の夕