KSネット俳句会

172回   
                                                               
                            
令和2年7月4日   メール句会        
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     藤遊子
青胡桃老舗蕎麦屋の店仕舞ひ
朝凪や鳥一列に防波堤
音殺し川滑りゆくやまかがし
波が波押して攻め来る土用波
秒針の音に癇立つ溽暑の夜      うーろん
テレワーク新の商機や青胡桃
腐草蛍に横須賀の灯は見え隠れ
イニシャルはY父の日の忘れ傘
何処となく疲れてゐたり半夏生
牛蛙鳴くや池辺の闇動く      えぼし
学び舎に子らの戻りて青胡桃
訳ありに酸いも混じれり佐藤錦
自粛にも楽しきことや更衣
アンデスの空蒼々と唐辛子
蘭鋳の雅に泳ぐ噴水池      かつら
腐草蛍にコロナウイルス何となる
蝉時雨ピタリと止みぬ震度四
夕風に風鈴しきる里の駅
慰霊の日銃眼越しに美ら海
垣根越し凌霄花愛でて朝の礼
        しかの
抜く草はわが影の内抜きすゝむ
瑠璃蜥蜴子につぎつぎと知恵うまれ
朝焼けの空どこからかミルク色
引き潮の河口泡立つ赤カンナ
ふと見上げまこと真白き梅雨の月       自由雲
靑梅を何も漬けずに時過ぐる
朝一番新聞受けに青蛙
夏祭どこも中止やコロナ禍の世
凌霄花蔓良く伸びて花多し
夏落葉輪廻転生想ひ出す       三葉子
宮廷の蹴鞠の画像梅雨の晴
星消えて声を揃へる雨蛙
梅雨の風満身に受け一句成す
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我が肺に風満ちてくる梅雨の晴