KSネット俳句会

173回　　　
                                                              　                            令和2年9月9日   メール句会　　　　　　　　
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　　　　　三葉子 地虫なく冥土の地中にひそむもの 森を背に群れ鳥のたつ夏朝日 我が影を日陰に入れて海を見る 秋風や放哉句集手のひらに 炎天下影なき海の果の雲 　　　　　藤遊子 駅出でて炎暑に眩む白きビル 秋近しベンチ一つに一人座し 姉の忌の暮れて蜩盛りかな けんけんぱ炎暑の露地チョークの輪 文庫本胸に落として午睡かな 　　　　　アトリエ 「ゆううつなセレナード」聴く十六夜 柏葉の窓の木漏れ日今朝の秋 足首に触るる野の草朝の露 金魚の子育つてくれよ初嵐 風鈴の音（ね）聴くことなし過ぎる日々 　　　　　かつら 秋寂や引き込み線のレール錆 吾が影の背筋を正す敬老日 地虫鳴く無人踏切先の闇 曼珠沙華兜太句碑立つ水潜寺 白秋碑色なき風の城ヶ島
     　　　　　しかの 水を打つちよつと猫に意地悪し 秋風や蓮の茎に棘あまた 止め処なく人は老いゆくすくもむし 柿すでに灯ともし色に芋嵐 女坂下り来て買ふ新豆腐  　　　　　えぼし ソーダ水資生堂での初デート 遠雷や傘を持たうか持たざるか 向日葵や都会の子供もやしつこ子 夏期講座男の好きな貴種流離 山の気が体を包むハンモック