KSネット俳句会

178回   
                                                               
                             
令和3年2月3日   
        
                                        
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     えぼし
いちはやく冬萌見つけ児の眼
文旦や海青々と土佐の国
家々の暮らしを晒す干蒲団
縄跳びの向こうに霞む少年期
マスクしてみんな素知らぬ顔となり
     藤遊子
大根干す三浦の風に立て掛けて
節分の朝やはらかく雨上がり
釣れぬ釣り飽かず眺める懐手
遅すぎし賀状に忍の文字一つ
冬の霧タンカーぬつと現るる      アトリエ
早春の影となりたり逝きし友
春時雨遠く冷たき富士の山
梅が香やまあ懐かしと文を読む
布切つてミシン踏む音春うらら
誕生日シンビジュームに心寄せ      かつら
海峡を流るる大河春の潮
蜂蜜の硬さのゆるぶ今日四温
掌に初冨士のせて賀正かな
独語して現に戻る日向ぼこ
靄々と川面をのぼる冬の靄
      しかの
寒風に桶よく乾く海人の路地
大寒の小石一つに躓きぬ
初場所のどこかくぐもるはね太鼓
ささやかにして良きうはさ犬ふぐり
「時短」てふ文字あちこち日脚伸ぶ       三葉子
廃屋の水仙同じ風の中
春近してにとつて見る布の色
歩一歩二月の日射しの真ん中へ
橋渡り冬の朝日に身を入れむ
古も海路の駅か春の湾       自由雲
バス停でしばし待つ間の初霰
節分にコロナ外福は内
小正月人影まばら中華街
コロナ禍で何を学ぶか去年今年
臘梅の庭一杯に馥郁と       うーろん
パンデミック春色消して繁華街
草餅や母の無骨の手を思ふ
白梅や巨大魚眠る深い海
旧正月スープは銀皿円の卓
弱音吐く青年一人厄詣り
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