KSネット俳句会

179回   
                                                               
                             
令和3年3月3日   
        
                                        
 TOPへ       KSネットへ 

     かつら
遠筑波地産地消の蜆汁
野遊びや父母眠る永久の森
  水戸・偕楽園
子規詠みしなぞへの梅もいま真白
春雷や妻代筆の友便り
八十路過ぎ愛でて立ち去る植木市      三葉子
春滲みる砂の厚みに歩をおけば
眼つむりて春の日差しのゆるやかさ
春怒涛富士に向きたる三鬼句碑
目覚めよと亡き友の声春の朝
三月の日や我が庭も新たなり      藤遊子
?を挿す舟を遠目に遊漁船
春愁の身を固くして待つ初診
左義長や寄せ来る波のやはらかさ
春近し鴉の騒ぎし高き枝
朧夜や巣籠り強ひる厄の神      アトリエ
自粛してあつといふまの春の川
をちこちの草の芽吹きの植木鉢
枝先に一日一日の芽吹きかな
カタバミの赤白黄色歩を進め
春暁の空に絵の具を流したり
        しかの
囀れり眠れる木々を覚まさんと
糞付けしままのメダカや夕朧
磯浜に焚火のあとや鳥曇り
板前の長き金箸さより盛る
漫画絵の鼻先尖る春寒し       うーろん
口小さくほそき眼の雛(ひいな)かな
白飯を二杯も食す木の芽晴
春疾風竹林の幹なべて斜め
ハッカ油を一滴垂らして朧月
手に止まり視界をさえぎる初蝶       えぼし
蒼天の底に一人の梅見かな
薄氷の下の金魚の動かざる
復興の声を十年草萌ゆる
枝先に如月の蝶動かざる
あの世へと半身を入れて日向ぼこ
メール句会