KSネット俳句会

182回   
                                                               
                             
令和3年6月2日   
        
                                        
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     うーろん
縄張りのこゑ張り上げて行々子
夏めきてトップアスリートの憂鬱
水無月の悲しきまでに空は晴れ
新タマネギ木の荷車に転がさる
入梅に黄緑のシャツ袖通す      えぼし
薄暑かな沖に灯の島ぼんやりと
コロナ禍のニュースばかりや
桜桃忌文学館より海を見て
マリーゴールドベランダに黄の光り
サングラスかけて男の寡黙なり       藤遊子
母の忌や新茶を汲みて独り言
梅雨寒や小枝咥へて雀飛ぶ
止まる花選べぬままに揚羽飛ぶ
梅雨寒や盲導犬は臥したまま
男梅雨朴の花弁を苛めけり      かつら
夏座敷柱に残る子の背丈
小余綾の磯に青鳩潮を酌む
女体より男体山へ虹の橋
二年振り青葉木菟きく奥座敷
鎌倉の谷戸の卯の花明りかな      アトリエ
山法師老いてまだまだ学ぶこと
またひとつ檸檬花散る夜の風
梅雨深む記憶を戻す名画かな
みなづきのウエブ句会を楽しめり
夏の暁時計代はりのバイク音
 
     しかの
草茂り門柱門扉のみ残り
黄に染まる菖蒲田黄蝶来てはならぬ
用水の隠くるるほどに芹の花
地にちかき花に寄りくる梅雨の蝶
行々子鳴かねば闇に攫はるる       自由雲
ワクチンの開発遅し梅雨寒し
すりこ木でいつまで叩く味噌山椒
家でつくるつまみいろいろ山椒の実
薄暑来るズーム句会に欠伸かみ
冷し酒といへば豊後の西の関
     雲?
山笑ふ「十円不足」の赤き文字
草餅や「否」一文字のメモ用紙
新築のまてな槌音夏来る
大夕焼黄金(ゴールド)免許返納す
秋風や愛車の尾灯遠ざかる      三葉子
十薬の路地の奥へと白き猫
蛇全身黄色に塗つて児が寝入る
日に陰る刑場跡の夏の草
小人居て私見てゐる七変化
生まれ月六月の風母の声