KSネット俳句会

183回   
                                                               
                             
令和3年7月7日   
        
                                        
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     えぼし
ソーダ水資生堂での初デート
遠雷や傘を持たうか持たざるか
向日葵や都会の子供もやしつこ子
夏期講座男の好きな貴種流離
山の気が体を包むハンモック       三葉子
緑陰に包まれに行く鳥と我
梅雨の闇わが一身の確かさよ
梅雨雲の厚みのままに夜白む
梅雨雲の切れて淡き雲の片
梅雨晴や背伸びして見る沖の先      雲?
わが旅はパンを齧りてゆく銀河
指三つ出して浴衣の背にかくれ
梅雨ふかし蛙は蛙われ旨寝
鳶の人日焼けの顎に紐の跡
まつさらな旅券の頁繭の色      藤遊子
扇風機止めて夕べの山の風
水よりも水らしく飲む麦酒かな
一瞬を切り裂くごとく翡翠飛ぶ
遠雷やラジオの音波?き乱し
夏の雨潮満つ海へ溶けにけり      アトリエ
ホトトギス夢かうつつか午前四時
ギーギーと啼く山鳥や梅雨晴間
父の日に冷凍パンの包み開け
螢狩り亡父の歌ふソルヴェーグ
夕焼を見とれてしばし時忘れ
 
      しかの
青梅雨の留守居の夫にメロンパン
夕立や猫も宿りの仁王門
いま散りし蓮の花びら手のひらに
手に打つて広げ干すシャツえごの花
梅雨ふかし鏡の吾にこゑかけて      自由雲
坂道に青柿転がる二つ三つ
凌霄花色は鮮やか花落ちる
人生は成り行きまかせ夏惜しむ
紫蘇植える素?のつま夏来る
接種済み一区切りつきし夏惜しむ      うーろん
えごの花感謝感謝と添え書きに
腐草蛍に別荘にして苔むせる
ソーダ水演歌の好きな外科部長
風薫る高級パン屋軒連ね
籐椅子を置いてアートな一空間      かつら
右岸来て左岸を戻る桜桃忌
雷雲の刻々かはる力瘤
竹の寺蹠の優し竹落葉
苦言する前にひと息梅雨寒し
父の日や汝レも長寿よコッペパン