KSネット俳句会

185回   
                                                               
                             
令和3年9月1日   
        
                                        
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     藤遊子
送り火や薄き煙の残る路地
釣船を降りて熱波お港かな
蟻の列辿りて母屋半回り
野良猫の足早に去る油照
独り居に空蝉などを拾ふ朝       かつら
廃校となりて十年花カンナ
検診へ今朝まつ白の酔芙蓉
田色づく浮世絵描く田のアート
投函すとんばう止まる投句箱
吾亦紅故郷に尖る山を見ず      三葉子
風もよし九月一日はじまりぬ
眠らぬか眠れないのか秋灯
黙し読む詩片広がる星月夜
つば広く高く手を振るいわし雲
秒針の動きの気配秋日なか      アトリエ
朝毎に色づく落葉掃きにけり
留守のまに庭のダリアの真つ盛り
救われぬ命多かり夏終はる
降圧剤ひとつ減らして秋の風
秋鰺やまな板の上海あおぎ      えぼし
浜梨を割れば甘さが立ち込めて
枝豆の湯気や朧の母の顔
江ノ電に海を眺むる初秋かな
手に触るる棉の産毛の懐かしき
秋暑し人の参らぬ破れ寺
 
       しかの
泣きながら児の走りゆく秋夕焼
雁来紅母校思ひのほか狭し
秋暑しかしやかしやくしやと菓子袋
朝顔や口をつぼめて人見る子
スリッパの薄くなりたる晩夏かな      うーろん
月白のきれいさつぱり予定なし
人並な日毎夜毎よ西瓜切る
秋の田や窓半開のバスのゆく
泛ぶごと歩道橋ある月明かり
あぶれ蚊の追つても払つても刺しに来る      雲?
桃の実をむくひと指のたよりなさ
男ひとり目覚めてのぞく水中花
ドアノブの遅れてカチリ魂送
そら豆と酒一合の賑やかさ
がちやがちやと昭和遊びし店消える