KSネット俳句会

195回   
                                                               
                             
令和4年7月6日                  
        
                                        
                  
     藤遊子
雀二羽浴びたる砂の円く灼け
校庭に遊びし子等の背に西日
源五郎戦後の空の青きこと
散らずしてやがて老いゆく七変化
野の草の色にまぎれて青蛙      えぼし
南吹く奄美の島に黑うさぎ
万緑の中や命の弾みゆく
遠雷や検査結果の帰り道
夏草や昔田んぼの造成地
白玉や母の実家は三世代      アトリエ
何事もなきことこそを暑中かな
白玉を一つづつよと老夫婦
昨日今日どこ歩きても灼くる道
をちこちに乱れ咲きたる姫おうぎ
ひと眠り合歓の木蔭のある窓辺
     かつら
段葛吾の片蔭に乳母車
故郷や蛙合戦聞く寝床
平泳ぎ水平線の見え隠れ
有権者片かげに置き選挙カー
善哉の白玉数ふ童かな
     しかの
次の世もこの星が好き天道虫
靴底のふかき波型源五郎
蜻蛉生まる祖母の産湯といふ水に
ジキタリスマリアカラスを聞きながら
水打つて打つて隣家の親しかり      三葉子
五七五この短さよ大銀河
十薬や天に放ちて地の匂ひ
紫陽花に模して立つ人瑞泉寺
眼裏に梅雨の川筋光りをり
源五郎少年の日の水面かな